よしりん先生も藤井聡氏には関心を失ってきたというし、もう藤井氏が国際法に関して完全なる無知蒙昧であることも、「表現者クライテリオン」がロシアベッタリのプロパガンダ誌に成り下がっていることも十分ご理解いただけたと思うので、そろそろ本ブログシリーズも店じまいにしようと思います。
とはいえ、見過ごしがたい論点があとひとつ残っているので、最後にそれを片付けて終わりとします。
その論点は、もう何度も扱っている「表現者クライテリオン」7月号巻頭コラム「鳥兜」に書かれているものです。
たった3ページしかないコラムで、よくこれだけおかしなことばかり書けるものだと、その著者にはほとほと呆れ果てています。藤井氏は「自分じゃない」と言い張ってますが。
今回問題となるのはそのコラムの後半、『ヒステリー化した「どっちもどっち論者」狩り』と題した部分です。
鳥兜筆者は、4月上旬に「ある映画監督」が大学の新入生への祝辞の中で述べた発言に批判が集中した件について、批判した人たちの方を猛烈に非難し、こう書いています。
世界の警察を気取る国際政治学者や、反露ヒステリーに陥った評論家などが、これに「どっちもどっち論」「相対主義」などのレッテルを貼り、いわゆる「炎上」に仕立て上げたのである。
「世界の警察を気取る国際政治学者」とか、「反露ヒステリーに陥った評論家など」とか、批判というよりほとんど「罵倒」です。
このコラムではなぜか全て名を伏せていますが、批判を浴びた映画監督は、東大で祝辞を述べた河瀨直美氏であることは明らかです。
そして、河瀨氏を批判した国際政治学者は、慶應義塾大学の細谷雄一教授、東京大学の池内恵教授、東京外国語大学の篠田英朗教授であることがわかりました。
「評論家など」の方も特定しようかと思いましたが、鳥兜筆者は特に国際政治学者を目の敵にしていて、
「このヒステリックな魔女狩りを先導しているのは、『国際法』を笠に着て平和の守護者を自認する、一部の国際政治学者たちである」
「無意味な『どっちもどっち論者』叩きに精を出す暇があるなら、たまには『国際法』で割り切れない情念や道徳にも関心を盛ったらどうか」
と非難しているので、ここは国際政治学者による批判に絞ることにしましょう。
ここで、実際には河瀨氏が何を語り、細谷氏、池内氏、篠田氏がそれをどう批判したのかをじっくり検証して、本当に「どっちもどっち論者」の批判は「無意味」なのか、本当に細谷氏、池内氏、篠田氏は「ヒステリックな魔女狩りを先導」したのかを、きちんと確かめようと思います。
果たして「表現者クライテリオン」は言論人にふさわしい、正当な批評を行ったのか?
それとも、とても言論人とは思えない、的外れな誹謗中傷を行ったのか?
明日から連続でしっかり検証し、本シリーズを締めくくることにします。
どうぞお楽しみに!
(もう結論が予想つくとか言わないでくださいね…)
【ロシベタクライテリオン論破祭り】
第1回 ウソついて逃げるクライテリオン藤井聡!
第2回 ロシアのプロパガンダを「多面的な解釈」と強弁する藤井聡!
第3回 道路交通法と国際法の区別がつかない藤井聡!
第4回 藤井聡の言う「多面的解釈の外交」とは何か?
第5回 NATOの東方拡大はアメリカの「裏切り」か!?
第6回 確かにアメリカは悪い! けど…?
第7回 ロシア経済崩壊の「主犯」は誰か?
番外編 藤井氏動画コメントに見る、クライテリオン読者・支持者の「程度」
第8回 藤井聡が依拠する、伊藤貫の「国際情勢認識」の正体
第10回 藤井聡氏に小学校の国語のテスト。
第11回 クライテリオンは朝日と産経の「悪いとこ取り」
第12回 ブチャ虐殺を「フェイク」だと思っていた藤井聡
第13回 「魔女狩り」という言論封じワード
第14回 もう一度、道交法と国際法の違いについて。
第15回 藤井聡氏の国際法軽視は西部邁氏の悪影響か?